矢野耀大さんの講演会より ②観る 意識する 準備する

今日のコラムも矢野燿大さんの講演会からです。

(矢野さんのお話)

思いも寄らぬ言葉から
私の野球観は大きく変わりました。
春季キャンプの時、この年から就任した
野村克也監督からこんなことを言われました。

「高橋由伸(巨人)のような天才は
 技術的な能力で3割を打てる。
 でも、お前らは2割5分や。
 その差を埋めるには頭を使うしかない。
 もっと頭を使え。
 ヤマを張っての見逃し三振もしょうがないんや」

阪神に移籍、一年目の私は
過去最多の110試合に出場し
正捕手の座を掴みかけていました。
しかしながら、打率は2割1分1厘。
打撃に大きな課題があることは
火を見るより明らかでした。

たとえ、見逃し三振に終わっても
配球を読み、ヤマを張るしかない。
私はそう思えるようになりました。

移籍2年目
打率は3割4厘をマーク。

「アンテナを常に張っておけ、
 何かを感じる力を養え」
いつも野村監督からそう言われていました。

そうすることで
たとえばランナーの小さな変化も
見えてくるようなりました。

足の速いランナーでも
楽々、盗塁をアウトもできました。

意識しると見えてくるものですね。

漠然と見ていても何にもわからないのに・・・。

「よく観る」「意識しておく」
この言葉を言いかえると
「準備せよ」ということだと思います。

「走ってくるかも知れない」という心の準備をして
ランナーの動きを観ているのと
不意に走られるのとは雲泥の差です。
それは野球以外にも当てはまることで
誰かの話を聞くときでも
ぼんやり聞いていてはダメなんです。

(柳本)

矢野さんお話は
ほんとうにわかり易くて
しかも実社会で
すぐに行動できることばかりです。

「誰かの話を聞くときでも
ぼんやり聞いていてはダメなんです」

このお話は本当に大事ですね。

人の話をぼんやり聞いていると
その言葉に人は反応します。
なぜ、この言葉を発したのか
全く気づかないまま生きていくことなります。

以前、ある居酒屋チェーンの店員さんのことを
書きました。
「今日は店長いますか?」とお聞きして
「店長はお休みです」のひと言だけで
済まされたお話です。

この人は「店長いますか?」と
なぜ聞いてきたのかと
少しだけでも考えていたら
こんな答え方にはならないでしょう。

心を読めというような難しい話ではなく
「なぜそう言われているのかな?」と
考えれば、いくらでも次の行動は取れます。

「店長は休みですが、副店長ならいますが
 呼んで参りましょうか?」とか

「店長は休みですが、お知り合いの方でしょうか?
 明日、出勤しますので、言付けを賜りましょうか?」とか

その場の雰囲気で
次に何を言ったらいいか
だいたいはわかるはずです。

意識しておいたにも
関わらず、間違ってしまったなら
それはそれでいいと思います。

人と人とのことですから
相性や考え違いもあるでしょうから。

ただ、何にも考えてないのは
さすがにダメです。

なぜか世の中
人がした質問の言葉にだけ
反応している人もいるような気がして
仕方ありません。

質問の言葉にだけ
反応していてはいけません。
気持ちに反応しないとね。

私も気を付けないといけないですが。

「観る」「意識する」「準備する」

矢野さんのお言葉なら
全て、同じことになると思いますが
本当に大事ですね。