自己分析なんていらない③

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今日で一旦

自己分析の話は終えようと思います。

 

もう10年以上前の話になりますが

ある作家さんから

「柳本さんも就活本を出せばいいのに」と

言われました。

 

当時、私は本を出す予定はありませんでした。

 

私が将来塾(現・神戸就活塾)で

教えていることは

ごく当たり前のことばかりです。

 

人として

当たり前のことを実行していれば

就活なんて、楽勝だよというのが

私の教えです。

 

素直で正直なことが一番だと

私は学生に言い続けています。

 

例えは

「短所を聞かれても

素直に自分が思う短所を言えばいいだけだから」と。

 

こんな話を本にしても

売れるはずもないだろう。

 

売れなければ出版社の方々に

迷惑が掛かるので

本は出せないと思っていました。

 

(2012年の秋

 パブラボ出版の菊池学社長と知り合い

 「当たり前が一番大事なんだという

  就活本を出しましょう」と言われ

 本を書くことになりました。

 まさかこの当たり前のことしか書いていない

 『短所を言えたら内定が出る』が

 ロングセラーになるとは思わなかったです)

 

私の本の話はいいとして

 

その作家さんから

(その人が作家なのか

 何かのコンサルタントなのか

 定かではありません。

 もうその方のお名前も聞くことは

 なくなりました)

私はとんでもないことを

耳にしました。

 

「本を出したらいいのに

 それだけ実績があれば

 本は売れますよ」(その作家さん)

 

「いや

 私は当たり前のことが

 一番大事だと言っているだけですから

 そんなことを書いても

 売れないでしょう」(私)

 

「そんなことを心配しているんですか?

 本は簡単に売れますよ。

 まず『自己分析本』を書いて

 就活生に恐怖を煽れば

 彼らは深くモノを考えないから

 その恐怖から免れるために

 次々に本を買いますよ。

 シリーズで本を出すと売れます。

 私はそのマーケテイングで

 冊数を伸ばしていすよ。

 まっ彼らに悪いと

 思ってないわけではないけど

 こっちも生活が掛かっていますからね」(その作家さん)

 

私は怒りを抑えることに必死でした。

 

いや、怒りを抑えることはできませんでした。

 

私はその作家に

暴言を吐いたように記憶しています。

 

「悪事身に返るぞ」というようなことを

言い放ったと記憶しています。

 

 

その作家は残念ながら

あることを知っていました。

 

自己分析本は

本来、カウンセラーがいないと

使ってはいけないことを。

 

自己分析をすると

ほとんどの人が

自信を失います。

 

だから、カウンセラーが

「それはそれでいいんですよ。

 そんなことがあったら

 今の素敵なあなたがいるんです」と言いながら

フォローし勇気づけるのです。

 

優秀で心優しいカウンセラーが隣にいて

はじめて自己分析本と向き合うことができます。

 

その基本を外すと

人は恐怖だけを味わいます。

 

しっかりしている人ならともかく

多くの就活生が

「自分は何にもしてこなかった」

「こんな僕ではまともな就職先がない」と

自信を失います。

 

⇒でも大丈夫ですよ、面接対策本があるし、

男子版もあるよ、女子版もあるよ

グループディスカッションの対策もあるよ

自信を取り戻せるよ・・・などと言いながら

シリーズ本を買わせています。

 

それが、(あくまで一部の)シリーズで本を

書いている輩の罠なのです。

 

もちろん自己分析本を書いている著者や

シリーズ本を書いている著者の全てが悪人だと

言っているわけではありません。

 

就活本を書いている方で

心優しい方もいっぱいいます。

 

しかしながら

本を売るために手段を選ばない輩がいたのは事実です。

 

ごく稀にいるだけだとしても

実に情けない話です。

 

恐怖を煽って、モノを買わせる輩に

まともな人間はいません。

 

これも人を観るときの判断基準に

されるといいでしょうね。

 

「あなたには悪霊が付いている。

この壷を買わないと不幸に次々に見舞われる」

 

こんなことを言ってくる輩から

壷を買う人はまずいないと思いますが

自己分析本で、心をズタズタにされて

シリーズ本を買ってしまう就活生はいるかもしれません。

 

就活の商材のなかで

自己分析本は、間違った使い方をされてしまったと

私は考えています。

 

本来、人は人との関わりのなかで

自己を見つめるものです。

 

机の上で、自己分析本と格闘するより

人を逢って、夢を語りながら

可能性を高めていってください。

 

活動しながら

モノを考えていきましょう。

 

 

PS

大学で行われている自己分析に関しては

隣同士、話をし合うことも多いでしょう。

人との関わりのなかで

自己を発見することもあり

いいのかなぁとは思います。