大切な一頁を想い出させる。

「柳本さんって、読書好きですよね」

「好きですね」

「柳本さんにとって、読書ってなんですか?」

「旅ですね」

「旅?」

「うん 旅」

先日、お友達とこんなお話をしていました。

私が仕事柄
移動が多く、そう今日も宮崎県に来ています。

もちろんお仕事で。

バスに乗ったり
飛行機に乗ったり
特急電車に乗ったり

そんな時
いつも手にしているのは
文庫本です。

本を読んでいると
とっても嬉しい気持ちになれる。

時間も場所と
一瞬で移すことができるから。

本を読んでいると
いつの間にか
僕が主人公になっていたり
ヒロインは元カノだったり
舞台がパリだったりローマだったり
行ったこともないくせに
映像だけは鮮明に観えてくるものです。

本を閉じるまで
その情景の中に自分が
映し出されています。

そっと本を閉じた時

「あのとき
 こんなふうに言ってあげたらよかったな」

そんなことを想いながら
ゆっくりと階段を降りていきます。

一冊の本は
人生の大切な一頁を
想い出せてくれます。