1リットルの涙②

今日のコラムは昨日の続きです。

『1リットルの涙・亜也さんの日記』の抜粋です。

生きたいのです。
動けん、お金ももうけれん、
人の役に立つこともできん。
でも生きていたいんです。
わかってほしいんです。

お母さん、わたしのような醜い者が
この世に生きていてもよいのでしょうか。

わたしの中の、キラッと光るものをお母さんなら
きっと見つけてくれると思います。

若さがない、張りがない
生きがいがない、目標がない……
あるのは衰えていく体だけだ。

何で生きてなきゃあならんかと思う。
反面、生きたいと思う。

我慢すれば、すむことでしょうか。

一年前は立っていたのです。

話もできた、笑うこともできたのです。

それなのに、歯ぎしりしても
まゆをしかめてふんばっても、もう歩けないのです。

涙をこらえて
「お母さん、もう歩けない。ものにつかまっても
立つことができなくなりました」
後十年したら……、考えるのがとてもこわい。
でも今を懸命に生きるしかないのだ。
生きていくことだけで、精いっぱいのわたし。

  (木藤亜也『1リットルの涙』エフエー出版より)