今日のコラムは昨日の続きです。
『1リットルの涙・亜也さんの日記』の抜粋です。
生きたいのです。
動けん、お金ももうけれん、
人の役に立つこともできん。
でも生きていたいんです。
わかってほしいんです。
お母さん、わたしのような醜い者が
この世に生きていてもよいのでしょうか。
わたしの中の、キラッと光るものをお母さんなら
きっと見つけてくれると思います。
若さがない、張りがない
生きがいがない、目標がない……
あるのは衰えていく体だけだ。
何で生きてなきゃあならんかと思う。
反面、生きたいと思う。
我慢すれば、すむことでしょうか。
一年前は立っていたのです。
話もできた、笑うこともできたのです。
それなのに、歯ぎしりしても
まゆをしかめてふんばっても、もう歩けないのです。
涙をこらえて
「お母さん、もう歩けない。ものにつかまっても
立つことができなくなりました」
後十年したら……、考えるのがとてもこわい。
でも今を懸命に生きるしかないのだ。
生きていくことだけで、精いっぱいのわたし。
(木藤亜也『1リットルの涙』エフエー出版より)