面接試験でもエントリーシートでも採用担当者がよく聞くのが『自己PR』です。
しかし、『PR』を学んだことがある人は、滅多にいません。
就活生から「自己PRがうまくできません」という相談が多いのも仕方ありません。
いったい何をどう伝えたら、『PR』になるのでしょうか?
このページでは、
・神戸就活塾でお伝えしている書き方のポイント
・実際の自己PR文の添削例
を掲載しています。
自己PRのコツを少しでも掴んでもらえたら、嬉しく思います。
≪添削前の文章≫
この思いは本気でした。しかし、その苦労は大変なものでした。少しでもアルバイト代を稼ぐためにホテルでの結婚式のホール係をすることにしました。たくさんのお皿を持ち、お客様に気を遣うことも
多く、毎日毎日、痩せる思いの連続でした。クレームも多い職場でしたし、バックヤードでは怒涛が飛び交うありさまです。先輩も大人げない人の集まりでした。しかし、ここで辞めては、貯金もでき
ません。目標達成はできません。とにかく目標である貯金が貯まるまでは、続ける強い決意を持って続けました。クレームも何度も言われると慣れてきました。ここでも慣れは大事だとわかりました。
この苦労の積み重ねによって、目標額の80万円を貯めたことは私の誇りです。ここで築き上げた忍耐力とコミュニケーション力は社会に出ても私の武器になることは間違いありません。
大きな改善点は下記の5つです。
改善点
①文全体が、苦労話のオンパレード。
まるで悲劇のヒロインのような書き方になっています。苦労話を書くと、評価が上がると指導をする先生方もいますが、それはまず有り得ないと思います。
苦労話に関して言うと、相手(人事など)聞いてきた場合は、素直に書いてください。
例:「苦労したことはなんですか?」といった問いの場合です。
特に苦労話を聞いていない場合は、苦労話は極力控えた方がいいでしょう。
苦労話が好きな人で仕事ができる人はあまりいないと思いますから。
②「先輩も大人げない人の集まり」この書き方は、いかがなものか。
周りは駄目な人ばかりだというような書き方は気になります。
周りは駄目だけど自分は優れていると言っているような誤解を受けました。
事実かもしれませんが、余計なことは書かない方がいいでしょう。
③続ける強い決意を持って続け=二重表現
二重表現です。「強い決意を持って続けました」。このように書けばいいしょう。
④クレームも何度も言われると慣れる。
これは誤解を受ける表現だと思います。クレームを何度も言われると慣れると言いきると、相手を蔑ろにしているように思えてきます。「クレームに対して、解決する方法がいろいろ見つかってきた」などの表現ならいいと思います。
⑤社会に出て武器になる。
これは言い過ぎでしょう。傲慢な感じを受けてしまいました。
誤解を受ける表現は、できるだけ避けましょう。
自己PR文を書く際には、ポイントがあります。
≪自己PR文を書く時の3つの基本的なポイント≫
ポイント① 何を伝えたいのか? (メッセージの明確化)
ポイント② どんな現象(事実)があったの? (具体的に)
ポイント③ 気づいたことと、これからどうするのか? (気づいた=行動する)
下記の文章は、3つの基本的なポイントを踏まえて添削した実際の文章です。
この自己PR文を活用した学生は、書類選考を全て通過しました。
≪添削後の文章≫
大学の編入試験を受けようと思い両親に頼らずにその費用を貯めることを決意しました。
アルバイトも比較的時給の高いホテルでの結婚式場にしました。
当初は、多くのお皿を持つことが苦手でした。
また覚えるべきマナーもたくさんありました。
そこで、一時間前には出勤し、お皿の4枚持ちやフォークとナイフでパンを挟む練習をしました。
勤務終了後も仕事の内容を振り返り、ノートに書き覚えました。
また料理を出す際、必ず笑顔で声を掛けました。
親族の方に、「今日は良いお天気ですね」と状況に合わせた言葉を使うよう心掛けました。
「○○さん、ありがとう」と言われた時は一日中嬉しく疲れも癒えました。
いつの間にか仕事も楽しくなり貯金も目標額である80万円になりました。
このお金は、「ありがとう」と共に頂けたものです。
これからもたくさんの「ありがとう」と共に成長していきます。
このように読んだ人に自然と伝わるように書いてくださいね。
採用担当者に対して、過度なアピールや「自分はすごい人間なんだ!」と売り込みをする必要はありません。ご自身の実体験を元に、人柄が伝わる文章を心がけてください。
添削実例の一覧