理不尽から何を学ぶか

今日、大学の先生と夕食を共にしていました。

ブラック企業の話をしていて
思い出したことがあったので
その話を先生にしました。

高校時代のアルバイトのお話です。

高3の夏休みの日曜日
ある大手企業の警備のアルバイトに行っていました。
(クラブ活動があり、夏休みでも日曜日だけが休みでした)
 
「警備」と聞いていたのですが
実際は工事現場の「重たい荷物運び」が中心で。
しかも時間も延長延長で、日当制なので
残業代なんて出ない。
昼食が出ると聞いていましたが
そんなのは全くの嘘。
(弁当が出ていたようなのですが
 社員の誰かがパクって食べていたようです・(笑))
昼休みはあったのですが
昼休みになると工場で働く人たちのパシリです。
「弁当買って来い」「ジュース買ってこい」「タバコ買ってこい」

工場の責任者らしき50歳前後のオジサンは
「ハイライト買うて来い」と言いながら
私に決まって、100円玉を渡します。

私が購買でハイライトを買い
「150円でしたので、50円足りませんでした」と言うと
「アホか、お前はバイトやろ、そんなもんは
 お前が払ろとけ! 俺に楯突くのは10年早いわ」とか言われるし
その白髪交じりの四角い顔をした男は
50円をケチるために、高校生の私に
たばこを買いに走らせたのです。

こんなことが続きましたが
当時の私は、さほど気にしていませんでした。

「こんな大人になったらいけないな」
「大手企業だからといって、まともだと思ったらいけない」

勉強になるなと思いながら、アルバイトを続けていました。
18歳でしたが、意外と冷静でした。

ある時、兄から
「バイト、どないや? 変なことないか? あの会社」と
言われ
「あーあの会社、変なことばかりやで。
 約束は、まるで守られへんし
 社員はダラダラしてるし
 それにめちゃめちゃ偉そうで
 ええオッサンが、めちゃめちゃセコイし
 でも勉強になるわ。
 あんな生き方したらアカンという見本みたいな人ばっかりやから」と
私は兄に言いました。

「そう思えてとるんやったら
 バイトする価値があるわ。
 あの会社、ドデカイだけで
 社員教育とか全くしとらんから
 いつか不祥事で大変なことになるわ
 今、偉そうにしとるけど
 痛い目に合うはずや。
 あんなレベルで、ずっとは続かんから」と
兄は私に語ってくれいました。

兄は、実家の建設会社を継いでいて
その会社から工場の増設の仕事を受けたことがあったそうです。
一度仕事を受け
二度と仕事を受けることはなかったとのことでした。

その後、本当に大きな不祥事を起こし
社長や役員は全員、解雇される破目になっていました。

高校時代に
あの経験をできよかったです。

理不尽もいいものです。
高校時代にあのアルバイトをしたおかげで
視野が広がりましたからね。